玄米クリームとは
玄米の粉を糊状に炊いた物である。
マクロビオティックでは玄米のお粥から重湯を作り、それを濾して濃縮させるような作り方をする。しかし今回紹介するのは、それの簡易バージョンともいえる調理方法である。
先ず玄米粉を用意する。この時に口当たりの好みによるが、粒子が細かすぎても粗すぎてもよくない。小麦粉よりはやや粗いぐらいの粒子ぐらいが、個人的にはお勧め目だ。
これを水と混ぜて糊状に炊き上げる訳だが、これは玄米を一度粉状にすることで食物繊維が細かくなることで消化によい食品となる。
炊いた玄米をミキサーにかけてドロドロにする作り方をする人もいるが、胃腸の粘膜を考えるとしっかりと粉々にしないと狙った効果が薄い可能性がある。繊維をどの様に断ち、そして細かくするかによる微妙な差が粘膜にかかる負担の差になる。ただ細かくし過ぎると食味があまりよくなかったりする問題点もある。
粘膜をいたわるという目的を満たし、好みの食味を追求するのもいいかもしれない。ただ量をとると、宿便の素となる粉食としての弊害も出てくるので気をつけていただきたい。
作り方
玄米粉:70g~100g(一食としては70gは摂った方がカロリー的にはよい。副食などで調整するならばまた別ではあるかも)
水:好みの硬さにもよるが約350~400mlぐらいで柔らかめの物ができる。
塩:味付け程度から目的に応じて
味付け:基本的に塩味。
※出汁の概念を持ち込んでもいいが、過食に要注意。それに動物性を避けて腸を整えようとする時は、出汁レベルから気をつけるのも大事。卵を溶き入れて、手早くかき混ぜて余熱で半熟レベルにして食べるという記載も甲田先生の本では見たことがある。
厚手の鍋が望ましいが、粉と水を加えてダマにならないようにかき混ぜながら中火ぐらいで加熱する。ある程度火が通って粘度が出だした辺りで火を止めて鍋の余熱で15分程度蒸らすと効率的だ。
じっくり余熱も使って熱を通すことでデンプンがα化することで消化吸収がよくなり、また唾液の反応によって味も良くなる。デンプンがα化するとクリーム自体に照りが出るので、それを目安に熱を通すとよい。余熱でなくてもα化するので、忙しい人などは参考程度に加熱の仕方をいろいろと工夫してみてほしい。
玄米クリーム食の利点と目的を考える
この食事は、基本的に消化によくて消化管への負担を減らすことに向いているといえるだろう。
甲田光雄先生の処方だと、ここに豆腐半丁がつく程度だ。ただ体調の状態に因っては、動物性たんぱく質を増やすために卵を溶き入れて余熱で半熟レベルにして食すという方法を甲田先生が著書の中で紹介している。体重を増やす一つの工夫だろう。
ただ胃腸粘膜を整えるならば、傷を修復するだけでなく腸内細菌までも視野に入れる方が良い時もある。
状況によって目的をはっきりさせて工夫するとよいのだと思う。
玄米粉70gでつくった玄米クリーム食を日に二食たべるのもありだが、玄米クリーム断食なる方法を聞いたこともある。
甲田先生の数ある断食工夫の一つのようだが、重湯断食にちかいのだろうか。その時は玄米粉が40g以下で日に二回玄米クリームのみを摂るようだ。この様な何らかのカロリーを摂る断食は、身体の必要とする最低限の糖分を供給することを目的にしているようだ。
最低限のカロリーやミネラルを供給することで、断食ショックを軽減させつつも飢餓ストレスを加えることを目的にしているようだ。
ユニークな断食例:みかん断食、リンゴ断食、はちみつ断食、すまし断食、青汁断食、玄米クリーム断食、寒天断食など