和治鍼灸院

和治鍼灸院

24節気

季節は移ろう(春から初夏へ)

桜も終わり、気温もだんだんと上昇してきた。

暦の上では穀雨の時分だが、この事象は穀物の成長を助ける雨という意味から来ているらしい。

この時分は気温が上昇するため、少し薄着になったりしないだろうか?

そうすると当たり前だが身体も少し冷える可能性がでだす。
特に靴下を厚手の物から薄手に変えたりすると、床や足元から自分が自覚している以上に体温を奪われていたりする。

其処へきて、日中の気温に合わせての装いになると朝夕が冷えるから身体が冷えたりする。だからこの頃の衣替えは足元の装いをやや暖かくし、上着を脱ぎ着することをお勧めする。

足元の装いを暖かくする工夫としては、靴下をやや厚めにしておくと足元の冷えが回避できるのではないだろうか。
また気温も上がってきているので、基本的に寒さは春先に比べて改善されてきている。

しかし冷たい空気は下に降りる性質があるので、屋外が温かくなってきているわりには、屋内の場合は冷気が足元に集まりやすかったりもする。
そこで、冷え防止の厚手の靴下となるわけだ。

あと、屋内では素足がいいという素足派には冷える分、足湯や足の日向ぼっこなどで温めるのはいかがだろうか?
この時期の日向は結構温かいので、のんびり窓際でうつ伏せに寝転がりながら足の裏を日に当てているとけっこう温かいものである。
足湯はお湯の準備や処理が大変だが、日光があたる気持ちのいい場所があればいいだけなので、日向ぼっこは経済的でお手軽でもある。

筆者の場合は伊藤テルミー

そんなことを書いておきながら、筆者の場合は伊藤テルミーという温熱療法を生業としているのもあるが、足の冷えにはテルミーを活用する。
冷温器でもって自動テルミーをおこなうのは少々面倒に感じてしまうので、そんな時は残線を活用するといいと思う。
灰皿などに灰を敷き、残線に火をつけて足の裏を炙るのがお手軽でおススメだ。

これが思いのほか塩梅がいい。
冬の寒い頃からのおススメではあるのだが、今時分に足の裏を炙るのもまたいいものである。

足の冷えは、内臓の冷えにつながる。

どういうことかと説明するならば、足で冷やされた血液がお腹へ返ってくるからだ。
腸や腎臓に肝臓、女性であれば子宮など冷やさない方がいい内臓のもとへ足で冷やされた血液が巡っていってしまうのだ。

動物にとって内臓を冷やすことは、結構身体にストレスになるものである。

免疫機能などは、基礎体温が1℃変わるとかなり変わってくるという。
健康むら21ネットの関係で顧問であられた故 安保徹先生にその辺りを交流会でお聞きしたことがあった。

その時の安保先生はミトコンドリアについて熱く語られていた、ミトコンドリアが働く為にも深部体温はある程度高く保つ必要があるとおっしゃっていた。

なんでもミトコンドリアが始動しだすには、37℃程度の基礎温が必要だと話されておられた。この予備熱があるかどうかで、細胞がおこなうエネルギー機構が解糖系からミトコンドリア系と選択肢が増えるとのこと。低体温であれば免疫力が落ちて癌化する可能性が出てくるが、低体温下では細胞が生き残る為には解糖系を主に活用していた太古の記憶でもって先祖返りをおこなう必要がある環境を整えてしまっている可能性もあるとのことだ。

その結果、細胞が先祖返りすることで協調性を失い、ガン化する可能性もあるそうだ。また冷刺激がある方が、細胞の分化は早くなるとも語られていた。

外気と触れる皮膚や男性の睾丸など、活発に細胞分裂するそうだ。だから細胞分化を促す為には薄着がいいとのことだ。
反対に身体の中においては、温かく基礎体温を高める工夫が必要だという。早寝早起きで朝日を浴びると自律神経も整いやすく、健康の為にも非常に好いとおっしゃられていた。

だから深部体温が高いと免疫系がしっかりと働くだけでなく、内臓の代謝も活発になる。そして体温が高いことでミトコンドリア使用率が上がり、がんも分化しにくくなるのだろう。

かといって伊藤テルミーを活用していると、身体の熱を一気に高くすると湯あたりの様に怠くなってしまうことがある。筆者的には、そんな時は手足をしっかりと冷温器でもってかけてやり、血行を促進してやると塩梅がいいように思う。これは余分な熱を手足が放熱板のような作用を担うことで、ある程度帳尻を合わせやすくなるからのようだ。

また体温が高いと自律神経が回復しやすいともいう。自律神経回復のためには睡眠が重要らしく、眠たくなった時はゆっくりと寝るのがいいだろう。テルミーでひたすら体温を高める措置をとることがあるが、免疫力強化と体質改善のためには理にかなったやりかたなのだろう。

結びに

免疫力向上や内臓の代謝力向上の為にも、この時期は頭寒足熱の言葉通りに足元には気を遣う必要があるのだと思う。そしてできるだけ冷えに警戒し、健康に気をつけるのが一番だろう。穀雨も過ぎてだんだんとこれから暑くなるが、今の時分はまだ血流改善を中心にテルミーをかけるよりも、冷え改善に主眼を置いてかける方がいいように思う。

-24節気