和治鍼灸院

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健康と生活 知ってみよう 西式亜流食事療法

尾道に引っ越しする折の寒天断食記録(寒天断食編7/9)

回復食に求める事②

②食欲に振り回されない事

これが難しい(;´Д`A
なまじ断食中の方が特別感があって頑張れる人の方が多いのでは無いだろうかw

そんな頑張るという緊張の糸が回復食期に入ると弛みやすい_(:3」z)_

弛んでしまって食べてしまったとしても、胃腸の強い人は結構なんとかなる(;´・ω・)

ただ胃腸の粘膜壁が痩せて薄くなっている分、脆いところに固いものやタワシでこそぎ落とすつもりかと言わんばかりの不溶性食物繊維は危険では有る。
それでも元気な人の場合は持ち前の細胞の活きの良さで、少々の傷は治してしまうし退化気味の消化吸収能力も快調に復調してくるからだ。

個人的な推測ではあるが、常日頃からの血行の良さと体温によって細胞代謝が活発かどうかが胃腸が強いか弱いかを分ける際には重要では無いだろうかと思っている。

これは甲田先生由来の患者さんで、生菜食療法がどうしてもできなかった方が鍼の師匠の治療院で胃の六灸を受ける事で生菜食が可能になった事例を知ったればこその推測である。

脱線してしまったが、胃腸由来の細胞が元気で無い人は、回復食に入って無理をしてはいけない。今回、自分はそこまで胃腸が弱いわけでは無いが、一つの目安としてそこそこ弱い人用の慎重路線で行なっている回復食行程を投稿している。

これは弱い人に紹介するという目的と、胃腸の強いという概念に細胞が元気な結果タフな場合と単純に身体が鈍感で被害認識が弱く鈍感力が強い故という2つのパターンが存在し、かつ自分はどちらかと言うと鈍感力が強いタイプである故の慎重路線であると言うだけだw

まあある程度鈍感力が有れば、欲張りすぎなければここまで慎重な行程を組まずにある程度したら玄米クリームよりもお粥や米飯食レベルに進む方が効率的ではあるのだが_(┐「ε:)_

今回は腹持ちは悪いが、準備するには手っ取り早いという玄米クリームの利点を採用して、慎重路線で胃腸の粘膜壁を労りつつ飢餓ストレスによって細胞のミトコンドリア系を鍛えたいと思うw

食欲に振り回されてはいけない一番の理由は、退化気味の消化器系が直ぐに本調子に戻ってくれないからだ。

1. 再生力

2. 消化液分泌

3. 腸内細菌叢のバランス

リハビリ項目として、大雑把に上の3項目はクリアしていきたい。

1の再生力は、栄養と血行の良さによって時間と共にある程度回復する。

一番良いのは無理なく歩く事であり、毛管や合掌合蹠などの西式健康体操も適度に体温が上がるぐらいを目安に生活に組み入れていくとより効果的であると思う。

2の消化液分泌、これが少々厄介である。

食べる食材の種類を少なく絞り、徐々に酵素の種類や分泌量が増える様にしてあげる必要があるのだ。

消化酵素を無理に分泌させる様に焦らせれば、急性膵炎などのショックを起こさせる危険性も最悪の場合はある。どちらかと言うとタンパク質の処理、特に動物性タンパク質を加える時は少量から始めてじっくり様子を見た方がいい。

サインは胃腸の悲鳴という最悪から、腸内発酵ガスの量やタイプで推測するのが良いと思う。

悲鳴の場合は左右の脇腹が熱を持ってぐったりする可能性から、最悪が急性なんたら炎である。軽ければゆっくりして居れば回復してくるが、気をつけるに越したことはない(;´Д`A

腸内発酵については、ガス腹になってきたりオナラが増える。あとは臭いの変化である。

タンパク質はどちらかと言うと腐敗菌が好みとする様で、発酵臭といよりも腐敗臭になる。

この辺りは押さえておきたい判断基準かと思う(=゚ω゚)ノ

3の腸内細菌叢のバランス、これがある意味体質改善のキモとなってくる。

如何に赤ん坊時の腸内細菌叢に近いバランスでいて、なのに様々な食材に対応できるか(´-ω-`)
現代日本人の希望はこんな所だろうかw

これは授乳中の赤ん坊の腸内細菌叢が、理想的な善玉菌のピークであるとよく言われているからだw

それと同じで離乳食に気をつける様に回復食も対応食材は非常に狭く、離乳食が進めば進むほど便臭に腐敗臭が増すのもある意味回復食に似た側面を持つw

まあ善玉菌量が少ない分、回復食の方が途中リセットに近い感覚なのかもしれないが(´・ω・`)

腸内細菌叢のバランス

腸内細菌をよく善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大別するが、最近の研究から言うとどうも組み合わせによって人に有益な働きをするかどうかは善玉や悪玉と言った振り分けには囚われないようだということが解り出してきている様だ。

だから菌の組み合わせによっては善玉菌であっても害悪の元になることもあるし、反対に悪玉菌に所属していても有益な働きををする事もあるそうなのだ。

この事例は腸内細菌のバランスというものが非常に大切であるということを示している。
常在菌が人にもたらす有益性はまだまだ未知で、解らないものも含めるとすごい可能性がありそうだ。

例えば鍼の師匠である森美智代先生の場合、腸内細菌が空気や腸内にあるアンモニアなどを再利用してタンパク質を作っているのではないかと辨野先生は話しておられた。

辨野先生とは便の研究をしている名と仕事がとてもマッチしておられるその世界の第一人者の先生だったりするのだが、森師匠の便の研究をされた時は腸内細菌の種類的に牛などの草食動物を連想されたそうだ。

牛の場合は反芻と胃が4つある事によって、タンパク質を常在菌が生産したものを活用しているわけだが、うちの師匠の胃は当たり前だが1つだし、また反芻などもされないw

というよりも牛よりも物を食べていないのは明らかだw

なのに腸内細菌達の連携でおそらくアミノ酸などの形でタンパク質の材料を供給してくれているのだろう。

他にもいろいろな酵素を提供してくれているだろうし、免疫活動にも腸内細菌は深く関わっている。

もっというと常在菌は体表面に止まらずに、最近では細胞間質にまで共存圏を広げているのではないかという説もあるほどに我々の一部である。

そんなもう1人の自分とも言える常在菌は、準備食や断食に回復食期間を通して供給される餌と表現すべきなのか食料と表現すべきなのか微妙なところではあるが、供給される食物によって制限が一定期間かけられている事実がある。

だから回復食時にあえて食べる食材を絞る事によって、増やしたい腸内細菌達の特定の食性グループを贔屓する事ができるのだ。

こう考えると食欲に振り回されない事が、如何に重要かが見えてくるのではないだろうか?

中には準備食からの長い期間で淘汰されかけている食性のグループもあるかもしれない。

そんな時に自分の腸粘膜が荒れない程度に植物食由来の常在菌を贔屓にし、糖分を好む常在菌を贔屓にしていく。

まるでへしこ漬けに利用した糠床を、野菜類の漬物用に上手に再利用しようとするかの荒技ではないか(;´Д`A

常在菌の菌叢を食べる食材の種類と量で持って影響しようというのである(´∀`*)ウフフ

内臓を捨てるわけにはいかない故の再利用であるが、荒技としか言いようのない事実があるのだw

育菌などと世間ではいろいろと外から菌を送り込む事で菌叢にアプローチしているが、回復食の時はもっとよりダイレクトに食べる事によって育菌を成すのである。

そうした塩梅で腸内細菌叢のバランスを食生活でもって形成し、それ以後も食生活でもって維持する事が、健康への歩みとなるカラクリなわけだw

いやぁ〜(´・ω・`)

生き物というのは奥が深い(´-ω-`)

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