冬は寒いものであり、空気は乾燥気味になるもの!しかしそのせいで・・・
基本的に風邪は冬に流行り易い。これはなぜなのだろうか?
人の呼吸器系の防御反応に、繊毛を利用したものがある。繊毛という細かい毛が、バケツリレーの様に異物を外へ送り出そうと動く防御反応である。この反応を起こすことで、人はウイルスや花粉などの微細な異物を体外へ押し返そうとしている。
この反応だが、繊毛が活発に動かないと効果が落ちる。あたりまえな話だが、ベルトコンベアがところどころ止まっているようでは輸送するのに困るというたぐいの話と同列だと思っていただきたい理由だ。
冬の乾燥がこのベルトコンベアにあたる繊毛の活動を、いちじるしく低下させてしまう可能性がある。繊毛という組織は濡れている環境下で正常に働くようにできているのだが、乾燥がこの活動環境をぶち壊しにしてしまうわけだ。
だから一般的に夏場よりも冬場の方がウイルス性の風邪が流行りやすくなるわけだ。
ただ例外として寝る時に口を開けて寝てしまう人は、睡眠中に乾燥環境へと導いてしまうことで健康度が落ちるという報告はある!
咽頭を潤し、繊毛活動を活発化させるのも立派な予防!でもそれだけでいいのか・・・
漢方の考え方では、レンコンは喉や肺に効果があるという考え方が存在する。
脈診をしていると普段はしないが、応用として面白い使い方ができる。それは食材による身体の変化を脈の変化で察するという使い方だ!
レンコンは熱を通して食事しても脈が変化するが、絞り汁が面白い。
レンコンに含まれるタンニンとビタミンCが喉の消炎効果に一役かっているなんて話もあるが、喉がスッとしやすくて脈も肺の相当部位が変化したりするか不思議だ!
盃に一杯程度のレンコンの絞り汁を風邪予防に引きそうな前兆時に飲んでおくと実感しやすいのではないだろうか。そしてその時に遊び心をもって、右手の寸口部の沈位の脈の変化を飲む前と飲んだ後で確認してみてはどうだろうかw
人の身体は不思議で面白い!この意見に共感してもらえるかもしれない。まあ変化に気付けるかはその人の脈診力にも左右されるが、脈の変化時に立ち会えば気づきやすいと思いたいお遊びだw
普段の飲食を利用して身体の反応を整えることで、医食同源としゃれこむ方が治療家らしいかと思い一歩前へ進ませる点も記載してみた。「龍角散を服用しているから大丈夫」「龍角散ののど飴があるから大丈夫」とか思って読み飛ばそうとした人を減らせてるといいなw
湿度を40~60%にすると効果ありとか
個人的には50前半ぐらいの湿度が好きだ。
湿度が高いと埃が落ちやすい?そして同じく人の呼気に含まれる飛沫も落ちやすい。だから60%とか高めの湿度の時はこまめな拭き掃除をする方がいいらしい。湿度が高いとカビも元気になりやすいしね。
昔から掃き掃除は何タラというが、古人は体感的に湿度と空気の澄み具合にも洞察が及んでいたんだろうね。
「科学的でない」「古臭い」のもとに忘れ去った習慣や口伝、現代人の見失った手掛かりや足掛かりはどれくらいあるんだろう。湿度が高いと熱の伝播も良くなるから、室内でストーブに薬缶はセットで活用すると効果が高いのは科学的に証明できるんだけどね。
なんて観点から現状を観ると、科学的にと否定する人や文明の科学力はいかほど高かったのかが現状の喪失量をみてみるとその真価が問えるのかもしれないw
熱は軽くて冷えは沈むのね
分子の活動が活発になると熱をもつ。分子活動がおとなしいと熱を失う。ちなみに氷が滑るのは、分子結合自体が滑るのだとか!個人的には圧力で溶けた水が氷との間で滑らせてるとばかり昔は思ってました。
空気にしても水にしても温度で層ができる。部屋を暖める時はこの層をかき混ぜて壊してあげるのが肝要だ。熱源からの上昇気流が空気の対流を生むことで層が壊れることもあるけど、現代の暖房器具によっては層があったり、床材自体が冷えたりで頭寒足熱の逆をやりがちな気がする。
だから重宝されるサーキュレーターなる空調機。個人的にプラスチック製のものは風が静電気で帯電しやすいのか、あまり好きではないw
人の身体は頭寒足熱がよい。使うと熱を発しやすく、熱をもつとオーバーヒート気味になりやすい神経細胞が集まる頭部。これは冷やす方が都合がいい。足はそこに流れる血が腹部の内臓に還ることを考えると、冷たいよりは適温がいいのは当たり前なわけだね。
だから頭寒足熱。逆に冷えのぼせは身体のシステム的に不都合が生じてくるから、自律神経が失調してでも改善しようとするから本当に要注意。
冬は乾燥して寒いものだけど、生き物には適した環境がある。
ヒトにとって適した環境を疑似的に作ることは非常にありがたいが、疑似的に作る分でどこか不都合が出てくることもある。そんな時は自然に立ち還ってみるのも一手ではないだろうか。原点回帰も重要な解決法。
対症療法的に便利な方法でその部分だけを改善すると整合性がなくなる。病気の治療もその概念に通じることがある。新型コロナウイルスに右往左往する昨今、新型コロナウイルスだけに対応するのではなく人の身体の持つポテンシャル十分に引き出し、また鍛えることで対応する方が次回のパンデミックスに備えることになるのかもしれない。
人の持つ免疫機能を活性化し、生体防御機能を鍛えることが新型コロナウイルスがもたらした宿題なのかもしれない。